なぜ今、個人サイトを作るのか?

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読者の方には「twitterやInstagram、pixivなどのSNSが発展しているなか、なぜ今更個人サイトを作るのか?」と思われる方も多いだろう。

この記事では僕、ギムレットがなぜこの個人サイトを維持しようとしているのかという理由について述べたいと思う。

かつての個人サイトブームに対する郷愁

かつて、SNSが普及する前(1990〜2010年ごろ)は、ウェブで何かを発信しようと思ったら個人サイトを作ってそこで発信するしかなかった。そのため、いわゆるテキストサイトやブログが大変流行った。

女子ボクシング創作界隈もその形から始まった。代表的なものとしては、1103さん裏1103ぴーこさんうらぷとめりあチャパロットさん小さな拳の天使たちなどがある。当時はこれらのサイトに掲載される作品に大変魅了され、次の更新はいつかと心待ちにしていたものである。

だが、テキストサイトを作るにはHTMLの知識やそれをサーバーにアップロードするFTPクライアントの使い方など多くの知識が必要であり、更新をするにしてもページのHTMLを組んでそれをFTPクライアントを使ってアップロードしなければいけないという大変面倒くさいものであった。ブログはそれに比べると楽だが、それでもデザインが自由に変えられない・更新していないといらない広告が入るといった問題があった。

そして、両者に共通する最大の問題が運営側のサービス終了である。これらのテキストサイト・ブログの多くは無料サービスで運営されていたが、無料サービスの多くが収益性の問題等から運営側によってサービス終了される事が多く、その度に多くのサイトが移転を余儀なくされるか、消滅していった。

そのような問題で幾多の女子ボク創作サイトが消滅するか更新が止まっているうちに、pixivのような創作特化型SNSやTwitterのような汎用SNSが登場した。これらのサービスは基本ユーザー側でコードを書く必要がなく、投稿に関する技術的・コスト的制約もなく、投稿が即時に反映され、さらに多くのユーザーから反応がもらえるという非常に楽で便利なものだった。そのため、皆がこぞってSNSに移行するようになり、個人サイトは廃れていった。

このような歴史もあり、今は個人サイトの時代じゃない、とよく言われる。実際、僕自身そう思っている。

しかしながら、それでも僕はかつての個人女子ボクシング創作サイトの活況を忘れていないし、それが絶滅することはなんとしても避けたいと思っている。

また、そう思っているのは僕だけではないようで、女子ボクシング創作の重鎮・へいぞさんも以前話したとき個人サイトの衰退に危機感を持っていた。

(というより、僕の考え方はへいぞさんの影響を多分に受けている)

だから、彼は今も自分のサイト・Pinky boxyで創作の発表を続けているのだ。

僕がこのサイトを作ったのは少しでもへいぞさんの動きを援護したいという意味もある。

SNSに対する不信・懸念

もう一つの問題は昨今のSNSに対する不信・懸念である。

昨年のイーロン・マスクによるTwitter買収以降、Twitterが迷走を続けているのは言うまでもないだろう。

(ただ、個人的にはイーロンのことは好きだ。スペースXの成長振りを見ても大したものだと思うし、彼が失敗を恐れずにトライ・アンド・エラーを繰り返して成功してきたということもわかる。ただ、Twitterに関しては今のところ成功とは思えない)

というより、買収以前からすでにTwitterはおかしかった。ヘイトスピーチなどの誹謗中傷・罵詈雑言が吹き荒れ、フェイクニュースが拡散し、運営はそれに対して何も対処できなかった。運営だけでなく、利用者の民度も低くいじめや炎上が相次ぐ。はっきり言って5ちゃんねるとなんの違いがあるのかという状態である。

そもそも、僕はTwitterが創作物を発表するのに向いていないと考える。なぜなら、TwitterをはじめとするSNSというのは、基本新しい投稿が上に来て古い投稿は下に追いやられていくシステムだからだ。視聴者が100人以上フォローしていればタイムラインはあっという間に流れていく。その中で、自分の好きな作品が投稿されてもすぐタイムラインの下の方に埋もれていくのだ。創作者にとってこんなに嫌なシステムはない。投稿タイミングを間違えれば自分の作品が誰にも見られずに流れてしまう。また、過去の作品を追っていくのも現状の新→旧の一方通行の仕組みでは難しい。以前はモーメントというツイートをまとめる仕組みがあったが、モーメントは2022年12月8日をもって機能停止し、新規作成ができなくなった。こうなると絵描きにとっては最悪である。「いいね」が欲しかったら新しい作品を上げ続けろということになってしまう。

(ならなぜアカウントを維持し続けるのか? ということにもなるが、なにぶん利用者が多い巨大サービスなので使っていないことによるデメリットも発生してしまうのだ。僕の場合、利用にあたっては不愉快な思いをしないようにフォロー対象は精査しているし、見る人になるべく不愉快な思いをさせないように行動に気をつけている。それでもトラブルを100%避けることはできないが……)

問題があるのはTwitterだけではない。pixivにしてもそうだ。pixivはTwitterに比べて過去作も見やすいユーザーインターフェイスだが、それでも新作が検索結果の最初の方に来るし、おすすめ作品も新作や人気の作品が表示されやすい。始めたばかりの創作者にとっては不利な状況だ。さらに、pixivは昨年不祥事(トランスジェンダーの社員に対するセクハラ事件で訴訟を起こされた)があり、そのマイナスイメージも大きい。

そして、両者に共通する問題として挙げられるのが利用規約・規制の問題だ。Twitterはアカウント凍結の基準が不明瞭だと言われる。また、シャドウバンと言われる検索にツイートが表示されなくなる規制があると言われている。pixivはTwitterに比べれば規約が明瞭に思われるが、それでも2022年12月に規約が変更され、規約違反の作品をBooth・FANBOX・pixivリクエストで有料提供できなくなるなど厳しくなった。規約の変更による規制の問題は創作者にとって大きく影響する。

(もっとも、今回のpixivの規約改定は僕にとってはさほどおかしいとは思えなかった。規制対象は実写や実写に近い写実性の公序良俗に反する作品ということで、要するにポルノが対象ということだった。少なくとも僕はそういう作品を作るつもりはないし、大半の創作者の方も関係ないだろう)

だからこそ、個人サイトを作るべきだ、というのが僕の考えである。規約などに極力左右されず、安定的に作品を発表できる「自分の城」を作っておくことは、損にはならないと思う。また、以前SNSで見た意見では「自分のサイトを作ることでSNSでの反応に一喜一憂しない逃げ場を作れる」というのもあったがこれにも同意できる。

個人サイトの厳しい現実

とはいえ、上記のように個人サイトを運営することは大変手間がかかる。現に、女子ボクシング創作サイトの多くが閉鎖ないし更新停止状態だ。

代表的なものを下に挙げる。

散々たる状態である。これらのサイトの管理人さんたちが活動をやめてしまったわけではなく、多くが現在もSNSで活動を続けている。やはり、更新停止の原因は更新にかかる手間の問題だと思われる。「彼女色のリング」以外はHTMLを自分で組むテキストサイトだから、管理人がページを組むのが難しくなれば更新が止まってしまう。残るブログ形式の「彼女色のリング」も何年間も更新が止まっていたし、利用している無料ブログサービスが終了してしまったことで閉鎖になってしまった。個人サイトを運営していくことがいかに難しいか、それに比べてSNSがいかに簡単かということがわかると思う。

リンクさせてくれるサイト募集中

個人サイトにとっては冬の時代と言ってもいい現状であるが、僕はこのサイトを少しでも発展させて、ひいては女子ボクシング創作サイト全体の復興につなげたいと思う。

ただ、現時点で困っていることがある。それは個人サイトの特徴の一つである他の個人サイトへのリンクが少ないことだ。リンクを辿って色々なサイトを巡るというのは個人サイトの醍醐味と言ってもいい。だが、現状このサイトのリンクはへいぞさんの「Pinky boxy」とチャパロットさんの「小さな拳の天使たち」の2つしかないのである。

なので、このサイトではリンクを貼らせてくれる個人サイトを募集中です。もし「リンクを貼ってほしい」という方がおられたらTwitterプライバシーポリシーページに埋め込んである問い合わせフォームなどから連絡をください。また、当サイトは基本的にリンクフリーです。

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